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バブル崩壊
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エコノミックアニマルのバブル崩壊の恐怖!
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エコノミックアニマルのバブル崩壊の恐怖!バブル崩壊がよほどこたえたのであろう。それ以後、浮ついた人間がほとんどいなくなった。景気のいいことを言う人間もあらわれない。つつましく、おしとやかで遠慮深くて自重する人間ばかりが目に付く。
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バブル崩壊!エコノミックアニマルのバブル崩壊の恐怖!
エコノミックアニマル
バブル崩壊
バブル崩壊
がよほどこたえたのであろう。
それ以後、浮ついた人間がほとんどいなくなった。
景気のいいことを言う人もいなくなった。
つつましく、おしとやかで、遠慮深くて、自重する人間ばかりが目に付く。
バブル崩壊の恐怖を知り、日本人はおとなしいエコ人間に大変身してしまった・・・
バブル景気は、1986年11月から1991年2月までの51ヶ月間続き、1987年度から4年間の実質GDP伸び率は4%を超えました。
しかし、それは株価や地価を中心とした、資産インフレを背景とし、未曾有のマネーゲームが展開されたため。
バブル経済崩壊の発端は、1990年1月。
今までの常識では、半値八掛け三割引以下にはならないとされていた、市場の経験数値をも吹き飛ばす程の、株式の大暴落に始まり、資産価格の大崩落と共に、崩壊の運命をたどった日本丸。
バブル景気とバブル崩壊は、日本経済の制度疲労を露見させ、虚飾のメッキを剥がし、丸裸にし、哀れな痩身を世界に晒しました。
バブル崩壊は、日本経済に制度の構造改革を迫ったのですが、勇気と英知と決断を必要とする改革への、傍観と躊躇、迷走と優柔不断、それよりも、無能力のために決断することさえ出来なかったことが、長期に及んだため、1990年代は、失われた10年と呼ばれ、現在も、この失われた年数の更新をしているのです。
自信満々、自信過剰、過信、いや何と表現しても良いのだけれども、この10年、日本人の自信というものは、二度と立てないくらいに叩きのめされ、完膚なきまでに叩き付けられ、奈落という深淵の底に叩き落とされたのです。
「バブル経済」、「バブル景気」、「バブル崩壊」、「失われた10年」と、後の人は絶妙なネーミングで呼ぶけれど、当時の日本の経済は本当に凄かった。
乗りに乗ったバブル経済は、遣ること成すことすべてうまく行き、世界に敵は居ないが如くの勢いで、日本の地価を以ってすれば、アメリカ全土が購入できてしまうと、経済評論家は、さも説得力のある論理を展開し、事実、世界中の株式、債券、不動産、美術品に至るまで、有りとあらゆる物を買いに、買い漁り、国民は、ジャパンアズナンバーワン、Japan as NO.1と褒めそやされて鼻高々だったのです。
日本一と言えば、それは即ち、世界一を意味した程の圧倒的市場支配、あれを「順風満帆」と言わずして、何を「順風満帆」と言うのでしょうか。
1ドル100円を切った強力な円は、にわか旅行者を海外の隅々にまで誘(いざな)い、そして隅々にまでジャパンマネーの圧倒的パワーを知らしめ、バブル崩壊後の今でも見受けられる、徒党を組んだ高級ブランド品買占めツアーに、終いには、不動産をも買い漁らせたのです。
世界中を席巻するジャパンマネーに対する恐怖は、日本人を、エコノミックアニマルと揶揄させ、イエローモンキーと侮蔑させることを、更に煽り、お金に物を言わせ、札束で面を張るが如くの、恥知らずの行為は、高級ブランド品や不動産ばかりではなく、ひんしゅくまでも買わせることになりました。
財テクの流行は、投資、投機、利殖に走ったお金の亡者達に、「株を買わないやつはバカだ」と言わしめ、金庫に入りきらない程、ボロボロに儲けたお金は、ダンボールに雑に詰められたまま、竹薮に捨てられ、接待現場では、一万円札を燃やしてタバコに火を付け、札びらを花咲爺のように撒き散らし、あぶく銭や接待費、交際費を湯水の如く垂れ流す、そういう輩が不夜城と化した夢幻の街を闊歩したのです。
経済評論家や経済アナリストは、欲望で膨れ上がった右肩上がりの株価を、現(うつつ)だと称し、なお一層のバブル経済を煽り立て、日本は世界一であるとの虚像と虚構を人々に植え付け、平常心を失った人々には、もはやゲームなどとの生易しいものではなくて、必ずと言って良いほど、一様に莫大な借金を抱え込んでしまう、勝者無き戦いへと駆り立てたのです。
ババ抜きにも例えられた、マネーゲームの敗者は、すべてを失い、命さえ奪われそうな予感のする、漆黒の闇に包まれた、薄ら寒い酒宴の跡に、ひとり佇(たたず)み、茫然自失と化し、顔からは血の気が引き青ざめ、いや体中から血の気が引いて、言い知れぬ恐怖に震え上がったのです。
勤勉で実直な筈であった起業家、経営者、政治家、官僚、労働者、はたまた、か弱き者達は、見せ掛けだけの好景気に浮かれ、酔いしれ、正気を失いました。
世の中、投資、投機、利殖に走る強欲者ばかり、もし、皆が求めるものを、実現することが政治や行政だと言うのであれば、バブル景気こそ、日本国中の願いだったのです。
バブル景気の創造、推進、推奨に、異議を唱える者は一人として、存在しなかった当時。
仮に、皆が平静では考えられない状況に陥り、ある一方向のみに大移動している時に、為政者だけは、冷静に考え、進むべき道を示す。
すなわち、反バブルの景気政策を打ち出すことが、正にそれが、政治や行政だとしても、そんな人、どこにも居なかったのですから、言っても詮無いことです。
とにかく、お金に目が眩んだ人々が、街中を埋め尽くし、口を開けば、銭儲けの話ばかり、「金で買えない物は無い」と、真顔で真剣に論じられるほど、人々の価値観は崩壊し、本来大切にしていたものを見失ってしまったのです。
「こんな異常な状態は早く終わってしまえ」、大切な人の命までも奪われそうな、そんな身震いさえ覚えるほど、異常で危険で緊迫した空気に耐え切れず、そう口走ってしまう。
バブル経済が崩壊してみれば、上昇し切った賃金と膨れ上がった労働者の山、そして、抱え切れないほどの、不良債権や不良資産の山また山が、残るばかり。
それらは、企業の体力や価格競争力を奪わしめ、安価な労働力を求め、立ち直ろうとする元気な企業を、日本から追い出しました。
残された企業は、リストラに次ぐリストラを敢行すれど、売上は減少に次ぐ減少、そして倒産に次ぐ倒産の、連続また連続。
バブル経済の蚊帳の外に居た、か弱き者達は、老後の足しにと、買いたい物をも買わず、遣りたいことをもせずに、せっせとお金を貯め込んだものの、そのお金には、ご褒美の利息は付かず、老後の足しどころか、生活費そのものに当てようと目論んでいた、年金の元本すらも危ういという状況に、お先真っ暗と申しますか、騙されたという感じで、怒り心頭に発しているのです。
自分は、10年間一体、何をしていたのだろうか。
悪夢から覚めてみると、物の価格はそのものの正味の価値を指し示し、なおざりにされていた物造りは見直され、お金そのものに全ての価値を見出していた人々も、自然や社会や人々の営みから、得られる恵みに、目を向けるようになってきました。
企業の価値はお金だけにあらず、人の価値はお金の量だけにあらず、と当たり前のことが、当たり前のこととして、受け入れられるようになって来たのです。
10年間、一体何をしていたのだろうか。
それは、10年間かけて、正気を取り戻した、と言えるんじゃないでしょうか。
「いや、企業の価値は、お金であり、人間の価値はお金の量で決まる」と、それでもなお言い張る人々は、外国産牛を国産と偽って売り付けたり、原発での事故を隠し、人命をも危険に晒し、儲けようとしているのです。
彼らは、10年間、一体何をして来たのだろうか。
想像すると、怖いものがあります。
手段を選ばぬ金儲けの裏には、幾体かの屍が転がっている。
知らず知らずのうちに、そうなっているんじゃないかと、考えてしまったりもするのです。
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