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ひとり映画シネマレビュー 悪人
2010年9月12日(日)鑑賞
悪人
映画 悪人を観ました。
悪人正機説
映画悪人を観ていて悪人正機説というのを思い出した。
悪人正機説とは、鎌倉時代に浄土真宗の宗祖親鸞が唱えた説である。
自力救済できない凡夫よ。
勉強をしても社会人となっても達観できない凡夫よ。
そして欲望を消し去れない悪人よ。
祈りなさい。
他力本願しなさい。
あなたたち悪人にこそ救われる機会があるのだから。
自分自信の欲望を抑えきれない悪人よ、自力救済を諦めて他人に頼れ、といっているのだ。
簡単に言ってしまえばこれが悪人正機説であるうか。
原作は芥川賞作家の吉田修一さんの最高傑作であるといわれている「悪人」である。
監督は、「フラガール」の李 相日さん。
???
李 相日さんてなんて読むんだろう。
って、正解は李 相日さんはリ・サンイルさんと読み、新潟県生まれの在日コリアン三世なのである。
キャストは、殺人者役に妻夫木聡さん。
妻夫木聡さん、この映画で一皮むけたんじゃないだろうか。
PG12指定になっている悪人。
すなわち12歳未満の方の観覧には適していない部分があり、なるべく保護者の方の同伴を求むる辺りは、妻夫木聡さんの熱演が大いに関係している。
物凄く濃厚なラブシーン。
おおお、ここまでやっていいんですか、と劇場のみんなは心で叫んでいたに違いない。
それとも私だけだろうか。
深津絵里さん。
こりゃまた濃厚なラブシーンのもう一方の役である。
おおお、この悪人めー。
って、みんなぶちまけていたに違いない。
岡田将生さん。
映画「告白」でのおバカ本領発揮の演技は、この「悪人」でも出し惜しみなく発揮されていた。
いや、もちろん岡田将生さんがバカなのではない。
バカな演技をさせれば今のところ日本一じゃないだろうかと思わされるほどのおバカぶり。
このバカっぷりが見る者にとっては十分に悪人なのである。
被害者役の満島ひかりさん。
みつしま ひかりさんと読むらしいけど、私は失礼ながらこの方をまったく知らない。
知らないけれど、この映画で完璧に覚えてしまった。
なんという憎たらしい演技をするのだろうか。
己がバカな上に、さらに人をバカにすること天才的である。
悪人をやらせたら妻夫木聡さんの比じゃない。
満島ひかりさんは悪人役のチャンピオンである。
樹木希林さん。
悪徳商法という悪人にひっかかり、殺人者の祖母としてマスコミという悪人に追いつめられていく。
自力救済できない凡夫を見事な愚かさをもって演じている。
柄本 明さん。
被害者の親となり、その境遇に耐えきれずに夫婦関係は崩壊していき、復讐心にさいなまれもがき苦しむ。
映画悪人では、「いったい誰が本当の“悪人”なのか」と問いかけているように、自分の欲求を自分で消化できない悪人がぞくぞくと登場してくる。
いにしえに悪人正機説で親鸞いわく。
自分で解決できなければどんどんと他人に頼りなさいと。
その効果があったのだろうか、現在の悪人たちはどんどんと他人に頼っていくのである。
自分ひとりではどうにもならない。
助けてよ。
お願いだから。
と人は人の温もりを求め、さ迷うのである。
最後に、これだけははっきりと言っておかなければならない。
誰が悪人かって、人殺しが一番に決まってる。
これには異論を挟んではならない。
どんなことがあっても人は殺してはならない。
いくら欲求を消化できなくても殺人だけはやってはいけない。
こんなこと当たり前のことである。
いったい誰が本当の“悪人”なのか?
って、そんなのに議論の余地は一切ない。
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ひとり映画シネマレビュー BECK
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