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ひとり映画シネマレビュー 必死剣鳥刺し

藤沢周平さんの隠し剣シリーズ小説の必死剣鳥刺しという短編を映画化した「必死剣鳥刺し」を観ました。バカな藩主と側室を持った藩士は必死の状態であるという映画である。そう、必死剣鳥刺しは愚かな社長と副社長を持った社員は必ず死ぬという映画なのだ。

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ひとり映画シネマレビュー 必死剣鳥刺し

2010年7月10日(土)鑑賞


必死剣鳥刺し



藤沢周平さんの「隠し剣」シリーズ小説の必死剣鳥刺しという短編を映画化した「必死剣鳥刺し」を観ました。

席に座るなり、3席あけて座っている老夫婦がうるさい。

まあ、映画が始まれば空気を読んで静かになるだろう。
と思っていたら、その淡い期待は見事に裏切られることになった。



本編が始まってもしゃべり続ける老夫婦。
「ちょっと、黙って観てよ」と、頭の中では何度も注意する、不機嫌さで体が斜めに傾いている私である。

「あれは鳥の彫り物だよ」
とか
「雪が降ってきたな」
と、おっちゃんが言えば、おばちゃんは「うん」と答えるのだ。

「鳥もちで鳥をつかまえたよ」
「うん」

「斬首されてさらし首にされたよ」
「うん」

ぶうーー

と、こちらはおっちゃんのおならである。



外目には、私もりっぱなおっちゃんなんだろうけど、隣はおならも平気でするという、もっともっと、ずっとずっと、りっぱなおっちゃんなのだ。

ぶーーーーうーーー
と、あろうことか映画の間に2度おならをかましやがった。



「閉門って実際に扉をくぎで打ち付けるんだね」
「うん」

それから何やらビニール袋を足元に置いていのだろうか。
それにしきりに手をつっこんで何かを探しているのである。

ガサガサ
ガサガサ
これを何度もなんども繰り返す、おっちゃんである。


(うるさい)


うーん。
もーーーーー。
映画が台無しだ。

ついてない。
今日はなんて日だ。
今日は最悪だ。



おおお。
時代劇では珍しいキスシーンじゃないか。

おお、何度なんどもやってるぞ。
すげー。



「キスをしているよ」
「うん」

・・・



と、ここで、もしかして、と、気がつく。

おばちゃんは目が不自由なんじゃなかろうか。
だからおっちゃんが丁寧に情景を説明しているんじゃないのかな。

暗くて分からないが、たぶん、そうなんだろう、と、そう思えてきたのだ。



やっぱり。
かな。

それからも、ずーーーと、おっちゃんは説明を続けている。
そして、おばちゃんは、「うん」とうなずくのみなのだ。



そうなんだ。



と、思ったら、おならも許せてしまえた。

ぶつぶつという会話ももちろん許せた。
ガザガザという物音も気にならなくなったのである。



さて、映画の方である。

主演豊川悦司さんのすさまじい熱演に息をのむしかない。
私は手足に力が入ってピーンと硬直するしかない。
ハラハラしながら豊川悦司さんを応援するしかないのである。

画面での張りつめた緊張感がこちらに伝わってくる。
なんという映画であろうか。



あっ、そうそう。

んっ。
あっ、指定なしなんだ。

血が飛び出し、晒し首もありという具合に、当然に、観覧について条件がつけられているのだろうと思ったけれど、指定はないみたいである。

確かに、指定しなくても、おっちゃんやおばちゃんしか来ていない。



必死剣鳥刺しは、バカな藩主と側室を持ってしまった藩士にとっては、すべてが必死なのだ、という映画である。

そう。
必死剣鳥刺しは、愚かな社長と副社長を持った社員は必ず死ぬ思いをする、いや犬死にするという映画なのである。



会社に正義なんてない。
あるのはバカな上司とバカげた命令のみである。

そして、その命令がいくら理不尽で間違っていると分かっていても、従ってしまう社員なのである、という愚かさよ。

バカ上司ゆえに殺し合う社員同士。
なんというむごさか。

ほんとうに、サラリーマンとはつらいものだ。
どのようなバカな命令にも従わなければならないのだから。



バカな命令に従った社員は、ひとりのいじめられっ子サラリーマンをなぶる。
でも、いじめられっ子サラリーマンも、ただなぶり殺されるのを待つほど落ちちゃーいない。

ひとりの人間としての尊厳をかけるひとりのサラリーマン。
そう、サラリーマンにも意地があるのだ。

サラリーマンにも守るべき者がいる。
サラリーマンにも愛すべき者がいる。
サラリーマンには迎えに行かなければならない者がいるのだ。

それをじゃまされてたまるか。
いくら従順なサラリーマンでも怒る時には怒る。
必死剣を使う必死必勝の時もあるのだ。



自然、あらがうサラリーマンの死にざまはむごいものとなる。
だから、殺陣シーンも壮絶となる。



頑張れ!
世の中のいじめられっ子サラリーマン。
いや、現に頑張っているのだろう、きっと、いじめられっ子サラリーマンは。

そして現にサラリーマンをなぶりごろしにする理不尽な会社もあるのだろう。
そんなバカな会社へと放たれた必死剣鳥刺しに、サラリーマンはうかばれる。



主題歌はalanの『風に向かう花』。




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