先生: |
「当たり前だ、端(はな)から英会話が出来るような英語は、
お前には教えていない」 |
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学生: |
「やっぱり、そうだったのですか。薄薄そうじゃないかと
思っていたんです」 |
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先生: |
「お前には、受験のための英語、受験のためだけの
英語を教えて来たんだ。喋れないのは当然だ」 |
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学生: |
「誰がそんなこと頼みましたか。自分は使える英語を
習いたかったのに」 |
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先生: |
「よく言うよ。では、お前は、音楽だとか芸術など、受験に
関係の無い授業に対して、どのような姿勢で臨んで来たと
言うのだ。
全然やる気が無かったじゃないか。
英語にしても、リスニングやヒアリングには、受験とは
関係が無いと言って、力を抜いていたじゃないか。
誰からも、直接的には頼まれてはいないが、文部科学省も、
教育委員会も、校長も、教師も、PTAも、親も、マスコミも、
企業も、社会全体も、皆が暗にそう望んでいることを、
私はしただけだ。
責任転嫁をするんじゃない。
英語が喋れないのは、お前が努力をしなかっただけ
じゃないか」 |
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学生: |
「いや違う。
勝手に人の気持ちを斟酌して貰っては困ります。
それらは、先生方が、型通りの難解で退屈な英語教育
を、強制的に何度も何度も繰り返し吹き込んで、我々を
思考停止に陥らせ、英語嫌いにした結果じゃないですか。
・・・。
・・・チキショー、訴えてやる。
あなたに長年英語を教えて貰ったが、自分は未だに英話
が使えない。
要するにあなたの教え方が悪かったんだ」 |
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と、言ってしまっても、「英会話が出来るような英語は、
お前には教えていない」と、開き直られてしまっては、
致し方ありませんね。 |
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学生: |
「それじゃー、英会話が出来ると誤認させた、学校や自治体、
いや国を訴えてやる。
いや待てよ。
今更、恨み節を言っても、始まらないか。
そんなことをする、時間の方が勿体無い。
悔しい。悔し過ぎる」 |