恐怖の禁断症状 = タバコの禁断症状 - 体験報告「価値辞典」
タバコの禁断症状
2003年10月30日18時15分に吸ったタバコを最後にして、禁煙しています。
これは、過去の最長禁煙期間15日を軽く超え、自己記録更新中なのです。
最長禁煙期間15日というのは、学生時代に達成したもの。
当時、多くの学生が患っていた金欠病に、多分に漏れずに自分も目出度く煩うこととなったため、まずは死なないためと、次に病気にならないために、滋養を摂ることを心掛け、そして、そうしながら、とにかく腹を膨らませることに努めなければならなかったのです。
緊急避難的には、水道水をたらふく飲んで、飢えを凌いだりもしたのですが、ちょっと落ち着いたかなと思えば、と言っても、悲惨な状況に変わりは無いのですが、食パン2枚にコロッケを丸ごと挟んだままの、名付けてジャンボサンドイッチなるものを食するようなことをして、腹の虫を宥(なだ)めて来ました。
悲惨と申しましても、世間知らずの甘ったれ学生の身に起きるピンチなんていうものは、この程度の御気楽なものなのですが。
1日禁煙すれば、そのお金で1日生き長らえることが出来る。
「よーし、それじゃータバコを止めるか」と、頭の中では忽ちのうちに、短絡反応を引き起こした結果なのでした。
惨状での思い付きが、禁煙することであった。
お金が入るまでの暫くの間、どうにかこうにか生き抜くためにと、考え付いたのが、禁煙をすることだったのです。
当時の、禁煙中の記憶といえば、とにかく1日1日が長かったということ。
「吸いたい。」
「いや、止めておこう。」
「すっ、吸いたい。」
「いっ、いや、やっぱり止めておこう。」
「いっ、いや、でも吸いたい。」
“吸いたい”ちゃんと“止めておこう”君が、一歩も引かない押し問答を永遠に繰り返すかのような、まるでそのような感覚がしたのです。
タバコを吸わずして1日終えることの、なんと長かったことか!
その長い1日に、何度と起こる禁断症状は、どのようなものだったか。
と、何度か聞かれたことが有るけれども、1日が長かったとしか、言いようが無かったかのように思います。
今となっては、もう、そんなものはどうでも良いし、事情もそれぞれが色々と有るのだろう。
要するに、ぶっちゃけた話、四の五の言わずに、早くタバコを吸わせろってな感じだったのです。
これは禁断症状!?
一切の理屈をも通さないような、そんな狂気に満ちた衝動を抑え付けるのは、とても“しんどく”くたびれるのです。
「そうか、脈絡が何も無く、このように訳の分からない状態のことを、禁断症状って言うんだ。」
吸いたくなれば、落ち着きはなくなり、あちらへフラフラ、こちらへフラフラと徘徊頻(しき)り。
手持ち無沙汰は、何かをやっていないと収まらず、口寂しさは、何かを含んでいないと許してくれないのです。
これらの落ち着きの無さ、イライラ振りは、禁断症状の記憶として脳裏に焼き付き、今や、強烈な恐怖となって残っているのです。
禁断症状、禁断症状、禁断症状、禁断症状、禁断症状、禁断症状・・・
イライラ、イライラ、イライラ、イライラ、イライラ、イライラ・・・
この禁断症状の過去の記憶は、長きに渡り頭に渦巻いて、我に禁煙することを思い止(とど)まらせて来たのです。
「来たっ、過去の記憶通りだ。」
今回の禁煙1日目にして、「1日が長い」という禁断症状は、早速にやって来ました。
当たり前のことですが、今までは1日が終了するのを、特に意識する必要は有りませんでした。
知らぬ間に、1日が終わって行ったのです。
しかし、禁煙後は“時間”というものを常に意識下に置いて、それが過ぎ去るのを、ひたすら待たなければなりませんでしたから、如何にも長いのです。
皮肉なもので、タバコを止めたと意識した瞬間から、体中の全神経はタバコに釘付けとなり、意識が集中し始めるのです。
タバコを意識しながら、タバコを意識の外に追い遣るという、このような高等な神経戦を、1日中繰り広げなければならないのですから、長く感ずるのも無理は無いというものです。
禁煙1日目、吸いたい気持ちを静めるために、敢えて、喫煙場所に近付いて行ってみたりもしました。
禁煙3日目、人の吸っているタバコの煙に近付き、こっそり盗んで肺に入れてみたりもしました。
今回の禁煙の基本方針に据えたのは、「小細工はせず、真っ向勝負!そして、堂々と」なのですが、禁断症状に対しては、ご覧のような姑息な小細工を弄する他、手立てらしいものは打ってません。
頼みのど根性だったのですが、それだけで遣りきってしまえる程、禁煙は柔では無く、己は強く無かったみたいです。
と弱気を吐きながらも、何とかかんとか現在も乗り切っている途上。
ニコチンは、タバコを吸った瞬間に、瞬時に体内に吸収され、なんと30秒後には血管内に進入し、心臓ポンプによって脳内中や体中の細部血管内を駆け巡る。
まるで麻薬のように、ニコチンは中枢神経を刺激し、快楽と落ち着きをもたらします。
血中のニコチン濃度が薄まれば、イライラを引き起こし、集中力は低下し、注意散漫に陥ります。
ニコチンを辛い位に欲しがれば欲しがる程に、欲求不満と不安は募り、怒りも込み上げて来るのです。
これが、ニコチン欠乏による禁断症状です。
ニコチンの欠乏とは別に、喫煙習慣を断ち切ることで、引き起こされる禁断症状もございます。
朝起きたら歯を磨くかの如く、極自然なこととして、潜在意識にセットされている喫煙習慣。
それを突然止めるのですから、生活は乱れ、ストレスは発生し、体中に溜まるのは必定。
果たして、これを精神力だけで克服することが出来ましょうや。
「禁煙中、タバコを吸う夢を見た」と、よく聞かされたものですが、まさしくその通り。
1週間目には、「一口だけなら良いだろう」との夢を見て、ハッと目を覚まし、1ヶ月目には、1本吸ってしまって、「しまった、やってしまった」と飛び起きたことも有ったのです。
噂は本当だったのです。いや本当に、焦りました。
ニコチンパッチとか、禁煙パイポ、二コレット、禁煙草、嫌煙ガム等の禁煙・嫌煙グッズを使うのは、卑怯でみっともないだろうと考え、実際は、卑怯でも何でもなく、みっともないことなんか何もないのですが、我が人生に於いて珍しいことではありますが、何を血迷ったのでありましょうや、精神力だけで禁煙を遣ってのけようと決意したのです。
いや、遣り遂げてみせる。
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