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レモン哀歌!レモン(檸檬)
レモン哀歌
「レモン哀歌」 高村 光太郎
そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白くあかるい死の床で
わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズ色の香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓(さんてん)でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光るレモンを今日も置かう
「智恵子抄」より
私の小さいころからレモンは高級品であった。
というよりは、そんなに流通していなかったように思う。
いかがだろうか。
というよりは、私の身の回りにレモンがなかったということだろうか。
確かに我が周囲は「洋」と言うよりは、「和」である。
レモンと言うよりはスダチである。
学生時代、友達にスダチをあげたら、おいしかったよ、むいて食べたよって嘘をついてくれたスダチ。
友達はスダチを見たことがなかったので、小さなみかんだと思ったに違いない。
レモンのようにすっぱいスダチ。
和テイストである。
学生にスダチを土産で渡す私もどうにも和テイストである。
いつもそうですが、昨年もレモンが生(な)ったまま放っておいたら、台風で枝がへし折れてしまったのです。
2005.05.21 |
レモン |
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木から捥(も)ぎ取り、果物ナイフでザックリ輪切りにし紅茶に滑り込ませば、世界最高のレモンティーの出来上がりです。
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